【ベルリン=共同】AP通信などによると、長編小説「ブリキの太鼓」で世界的に知られ、ノーベル文学賞を受賞したドイツの代表的な作家、ギュンター・グラス氏が13日、ドイツ北部リューベックの病院で死去した。87歳。死因は不明。
第2次大戦後、ナチスの歴史的責任や小市民のナチス加担を一貫して取り上げ、左派文壇をリードしてきたが、2006年8月にナチス・ドイツの親衛隊(SS)に所属していた過去を自ら明らかにし、波紋を呼んだ。
1927年、ダンチヒ(現ポーランド・グダニスク)生まれ。第2次大戦に少年兵として従軍。西ドイツの戦後文学運動「グループ47」の一員として59年「ブリキの太鼓」を発表。79年に映画化され、世界中で大きな反響を呼んだ。99年、ノーベル文学賞を受賞した。