【フランクフルト=加藤貴行】仏トタルは16日、総額6億ユーロ(約770億円)を投じる仏国内の2製油所の再編を発表した。西部ナント近郊には環境関連の設備を導入、南部マルセイユ近郊では来年末に原油処理を停止しバイオ燃料の拠点に転換する。トタルは欧州域内では業界最大の原油処理能力を持っており、需要減に対応した能力削減を急ぐ。
トタルは国内で5製油所を操業し、今回対象の2製油所はいずれも赤字だ。西部の製油所に4億ユーロで硫黄分を取り除く装置を新設し、欧州の排ガス規制に対応。南部の製油所は2016年末に原油処理をやめ、430人の従業員のうち180人を解雇する。2億ユーロを投じて国内初のバイオ燃料の生産拠点に変える。
欧州域内のガソリンなど石油製品の需要は08年から15%落ち込んだ。トタルは全体の能力を減らし、環境対応投資で収益改善を図る。