【パリ=竹内康雄】フランスの自動車大手ルノーは16日、臨時取締役会を開き、筆頭株主の仏政府がルノー株を買い増す措置に反対する姿勢を示した。取締役会後の声明で「(仏政府と、ルノーと連合を組む日産自動車の)主要2株主のバランスが維持されるよう求める」と主張した。仏政府は15.01%、日産は15%のルノー株を保有する。
仏政府は8日、ルノーの持ち株を19.74%に買い増すと表明した。フランスでは2014年に2年以上の株式保有に2倍の議決権を与える法律が成立。ただ株主が拒否した場合、1株1議決権が維持される。30日のルノー株主総会には現行制度存続を求める議案が出され、仏政府の買い増しはこれを否決する狙いがある。
2倍の議決権が認められれば、仏政府のルノー日産連合への影響が強まる懸念がある。ルノーは声明で現行制度存続を維持する決議案を支持すると表明。今後、ゴーン最高経営責任者(CEO)が仏政府と協議するとみられ、仏政府がどう対応するかが焦点となる。