【イスタンブール=佐野彰洋】21日の欧州債券市場で、ギリシャの3年物国債の利回りが急上昇(価格は下落)し、2012年以来初めて30%台に乗せた。欧州連合(EU)などとの金融支援再開交渉が不調のまま、財政資金が枯渇、債務不履行(デフォルト)に至るとの懸念が台頭しているため。
ギリシャの3年物国債の利回りは、2月末には12%台で推移していた。EU側はギリシャが4月に提出した構造改革案の中身が具体性に欠けると判断。昨年来中断している金融支援の再開には至っていない。
財政資金が底をつきかけているギリシャは24日のユーロ圏財務相会合での支援再開決定に望みをつなぐ。ただ、欧州委員会のユンケル委員長は21日、協議の進展が不十分として、早期再開に否定的な見解を示した。
ロイター通信によると、ギリシャのチプラス首相は23日、ドイツのメルケル首相とブリュッセルで会談する。ドイツはギリシャの改革姿勢に不信感を募らせており、トップ会談が事態の打開につながるかは不透明だ。