神奈川県湯河原町の住宅の焼け跡から平井美江さん(66)とみられる女性の遺体が見つかった殺人、放火事件で、傷は頭部や顔に集中し、抵抗した際にできる「防御創」がなかったことが22日、小田原署捜査本部への取材で分かった。捜査本部は突然襲われた可能性があるとみている。
遺体に煙を吸った形跡がないことも判明。殺害後に放火したとみて殺人と非現住建造物等放火の容疑で調べている。
捜査本部によると、頭部と顔の十数カ所に刺し傷や切り傷があり、顔には鈍器で殴られたような痕もあった。遺体発見時、額に刺さっていた包丁で頭蓋骨が折れ、死因は脳挫滅だった。
火災は21日午前6時ごろに発生。死亡推定時刻は約1時間前の同日午前5時ごろで、ニットの長袖上着とスパッツ姿だった。居間が激しく燃え、遺体が見つかった寝室はあまり燃えていなかった。
捜査本部は22日、寝室を中心に現場検証し、犯人の遺留品を捜した。23日も検証や付近の聞き込みを続ける予定。〔共同〕