JR川崎駅(川崎市)構内で昨年2月、京浜東北線の回送電車が線路上の工事用作業車と衝突し横転した事故で、運輸安全委員会は23日、定められた手順を守らずに作業車を線路に進入させたことが原因とする報告書を公表した。
安全委はJR東日本と工事を請け負った会社に対し、再発防止のための作業手順の見直しと教育訓練の実施を求めた。
報告書によると、安全指揮者が作業車を途中まで移動させるよう指示した際、作業員は線路内まで移動できると思い込み、閉鎖されていない線路に進入したという。
事故は昨年2月23日午前1時すぎに発生。桜木町発蒲田行きの回送電車(10両編成)が時速約65キロで走行中、線路上の作業車に気づいて非常用ブレーキをかけたが衝突し、回送電車の1、2両目が脱線、1両目は横転した。回送電車の運転士と車掌の2人が軽傷を負った。
作業車は駅舎改築工事の資材を運搬。回送電車の通過を確認後、線路を閉鎖する手続きをしてから線路に入ることになっていた。