日本郵政グループのゆうちょ銀行は23日、前シティバンク銀行会長の長門正貢氏(66)を社長に迎える人事を固めた。5月11日付で就任する。1日からゆうちょ銀社長を兼務していた西室泰三氏(79)は親会社の日本郵政社長に専念し、今秋の上場に向けた体制を整える。
23日夕に発表する。ゆうちょ銀の社長は、前任の井沢吉幸氏(67)が3月末で退任し、西室日本郵政社長が兼務する異例の体制になっていた。西室氏は「上場申請までに後任を見つけ、兼務を解消する」などと発言。同時上場を目指す日本郵政とゆうちょ銀の社長を上場後も兼務することはできないとの考えを示していた。
長門氏は旧日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の出身。みずほコーポレート銀行で常務執行役員を務めたほか、富士重工業副社長、シティバンク銀行会長を歴任した。2011年に金融庁から業務停止命令を受けた同行の内部統制を立て直し、今年3月末で会長を退いていた。
日本郵政グループは今秋、日本郵政とゆうちょ銀、かんぽ生命の3社の株式を同時に上場する予定だ。1日には上場に向けた中期経営計画を発表するなど、体制整備を進めている。
長門 正貢氏(ながと・まさつぐ)72年(昭47年)一橋大社卒、旧日本興業銀行入行。03年みずほコーポレート銀行常務執行役員、10年富士重工業副社長。12年からシティバンク銀行会長に。東京都出身。