【ニューヨーク=共同】米プロフットボール、NFLの元選手が現役時代のプレーで脳に健康被害が生じたとしてリーグに損害賠償を求めていた集団訴訟が22日、フィラデルフィアの連邦裁判所で和解に達し、総額で10億ドル(約1200億円)にも上る賠償金がNFLから支払われる見通しとなった。訴訟では5千人以上が原告となっていた。AP通信など米メディアが報じた。
NFLを引退した約2万人のうち、将来的に6千人がアルツハイマー病や認知症になる恐れがあると推定されている。和解案では1人平均19万ドル(約2280万円)の賠償金を受け取る。30代や40代でパーキンソン病と診断された場合や、脳の損傷が死因だった元選手には最高で500万ドル(約6億円)が補償される。
NFLは「きょうの歴史的な和解は公正で妥当なものだ。合意を履行し、競技の安全性を高めていきたい」との声明を発表した。