慶応義塾大は28日までに、生まれつき心臓に異常がある女児(12)の心臓の右心房と左心房の間の仕切りをいったん取り除いて縫い直し、大動脈と肺動脈を付け替える手術に国内で初めて成功したと発表した。これまでの手術に比べて術後の運動制限が少なく、将来は出産もできるようになるという。手術は昨年11月に実施し、今年2月に退院した。
患者の病気は「修正大血管転位症」という先天性の心疾患。動脈につながる右心室と左心室の位置が逆で、心臓内の弁が詰まる合併症があった。
慶大のチームは右心房と左心房の間の仕切りを縫い直し、血液を右心房から右心室に、左心房から左心室に引き込んだ。大動脈と肺動脈も付け替え、心臓内を血液が流れるようにした。
人工血管でバイパスをつくる手術に比べて運動などの負荷に耐えやすくなるという。手術の難易度が高く、世界でも米国などで数例しか報告がないという。