【ベルリン=原克彦】世界経済フォーラムが6日発表した2015年の旅行・観光競争力ランキングで、日本は世界で9位と前回13年の14位から順位を上げた。07年の調査開始以来、過去最高になった。「客の待遇」の項目で首位となり、「おもてなし」の心が高く評価された。
今回から安全面の評価に「テロ発生率の低さ」と「殺人事件の発生率の低さ」が加わり、それぞれ1位と2位だったことも貢献した。
日本は過去の調査に続き、鉄道網の整備や衛生状態、飲用水へのアクセスなどで順位が高い。また、円安の恩恵もありホテル料金が71位から36位へと大幅に改善した。観光ビザの自由化は111位と前回の96位から後退している。
上位10カ国の半数以上を欧州が占め、スペインが初めて首位に浮上した。文化面で観光資源が豊富なことに加え、旅行者がインターネットで情報を集める傾向が強くなっているのに対応していることが評価された。前回首位のスイスは通貨高の影響などで6位に下がった。
調査の対象は141カ国・地域。アジア太平洋ではオーストラリアが7位と最高で、シンガポール(11位)や香港(13位)のほか、ニュージーランド(16位)と中国(17位)が20位以内に入った。