【ニューヨーク=平野麻理子】11日の米国債券市場で長期金利の指標である10年物国債利回りが前週末比0.13%高い(価格は安い)2.28%と、約4カ月半ぶりの高水準に急伸した。欧州市場での債券売りが米国市場にも波及した。金利急上昇への警戒感から株が売られ、ダウ工業株30種平均の終値は同85ドル94セント(0.5%)安の1万8105ドル17セントと3営業日ぶりに反落した。
11日の欧州市場ではデフレ懸念の後退などを受けてドイツやフランスなど主要国の国債を売る動きが改めて活発になり、米国市場でも売りが優勢となった。米国では週内に3年物や10年物などの国債入札が予定されている。入札で需給が緩むとの見方も、債券売りの材料になった。
株式市場ではダウ平均に加え、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も前週末比9.976ポイント(0.2%)安の4993.573へと、3営業日ぶりに反落した。金利上昇を警戒した売りに加え、前週末に4月の雇用統計を好感して大幅に上げた分の利益確定売りが膨らんだ。