【NQNニューヨーク=神能淳志】21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は6営業日ぶりに反発した。前日比30銭の円高・ドル安の1ドル=121円00~10銭で終えた。この日発表された米経済指標の多くが市場予想よりも悪化。最近までドル高基調が続いており目先の利益確定を目的とした円買い・ドル売りが優勢となった。
21日発表された4月の米中古住宅販売件数は前月比3.3%減と市場予想(1.0%増)に反してマイナスとなった。米フィラデルフィア連銀が公表した5月の景気指数も予想を下回るなど米景気の先行き不透明感が改めて意識され、円やユーロに対してドルを売る動きが広がった。
米長期金利が2.20%を下回って低下基調を強めたことも、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りを誘った。円は一時120円94銭まで上昇した。
一方で、積極的に円の上値を追う動きも限られた。21日は日欧に続き、米株式相場も小幅ながら上昇した。投資家が運用のリスクを取りやすくなるとの見方から、ドルと比べて相対的に金利の低い円には売りが出て、相場の重荷となった。
この日の円の安値は121円26銭だった。
円は対ユーロで小幅に上昇し、前日比5銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=134円45~55銭で終えた。円が対ドルで上昇したことを受け、対ユーロでもやや円買いが及んだ。円やユーロがともにドルに対して買われたことで、円の対ユーロ相場は方向感に欠いた。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反発。前日比0.0020ドル高い1ユーロ=1.1110~20ドルで終えた。米経済指標を受けて、対ユーロでもドル売りが優勢となった。フランスの5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想を上回るなど、ユーロ圏の景気が底堅く推移するとの期待が広がったこともユーロ買い・ドル売りにつながった。
ユーロの高値は1.1147ドル、安値は1.1105ドルだった。