ＮＴＴとパナソニックは17日、映像や防犯サービス分野で業務提携すると発表した。2020年の東京五輪での活用を視野に入れて競技場や商業施設など公共のスペースでのこれまでにないライブ中継といった映像システムの開発などを手掛ける。ＮＴＴの鵜浦博夫社長は同日都内で開いた記者会見で「我々だけではなく、第３、第４の協業先を加えて利用者に喜ばれるサービスを作り上げたい」とさらなる協業先を募る考えを示した。

業務提携を発表するＮＴＴの鵜浦社長(左)とパナソニックの津賀社長（17日午後、東京都港区）

公共施設での映像システムに加え、五輪で来日した外国人に向けたデジタルサイネージ（電子看板）を利用した多言語の地域情報提供サービスなどを開発していく。監視システムを高度化させて駅や空港などの公共施設での防犯関連サービスも作り上げていく考え。パナソニックの津賀一宏社長は「テレビなど中核の家電事業で蓄積した映像技術を新時代のサービス用との開発につなげる」と話した。17年をメドに協業の成果を出していく予定だ。

「（東京五輪のある）20年は新しいサービスやビジネスモデルを生み出すチャンスになる」（パナソニックの津賀社長）という。一方で両社とも従来のような単独での技術開発では、革新的なサービスを生み出すことにも限界があると判断。今後は両社と協業する企業をさらに増やしていく。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕