米政府は共同で中国に対処するようEUを引き込もうとし続けているが、順調にいっていないのは明らかだ。ドイツのアルトマイヤー経済相は11日付のフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングのインタビューで、人権問題を理由とする対中制裁・孤立化に反対。「西側諸国の貿易政策が相手国が民主的か否かのみを導きとしたことはない」と指摘し、ドイツが世界の道徳的指導者ではないことを強調した。
ドイツは今年後半のEU輪番議長国であり、対中政策を始めとするEUの統一的外交政策の形成に尽力している。5G等多くの問題においてドイツの姿勢は米国と明らかに異なり、大西洋両岸で深まる戦略的な溝の象徴となっている。
ドイツのメルケル首相は先日、名指しはせずに米政府の新型コロナウイルス対策を批判し「我々自身の経験が示すように、嘘や虚偽の情報によって感染症と闘うことはできない。恨みや恨みを煽ることで感染症と闘うことはできないのと同様にだ」と語り、米国の大手メディアの注目を集めた。
欧州と米国は同盟関係にあり、政治的、軍事的、そして価値観において強固な結びつきがあり、欧州が中国が米国に対抗する手助けをすると考えるのは大きな間違いだ。だが、米国がかつてソ連に対抗したように中国との対抗に欧州を引き込むことは可能だろうか。米政府はそれを強く望んでいるが、夢物語だ。
今日の世界はかつてとは違う。欧州にとって安全上の利益において最も差し迫っているのは経済的安全だ。軍事的安全は当然至上だが、欧州の感じている軍事的脅威は大幅に下がっている。ましてや中国を欧州にとって伝統的安全保障上の脅威だと言うのは、根も葉もない話だ。しかも欧州にとって中国との切り離しは、全く利益にならない。欧州にとって中国は経済的、技術的競争はあるが、同時に代替不能な市場的資源を提供してもいる。米国は覇権的目的から一部で中国切り離しに踏み出したが、そのような損失は欧州にとって報われぬものだ。
実際には米国は中国を叩くだけでなく、ドイツ経済の発展空間も圧迫している。米政府は自らに競争を仕掛けるいかなるパワーも容認せず、唯我独尊を望んでいる。米独の衝突は不可避だ。米政府が横暴で、ドイツ政府に強要するほど、双方間の衝突は公のものとなる。
中国は欧州にとって脅威となったことはない。中国は温和な対外政策を維持ているうえ、すでにスーパー市場を形成している。これが、欧州が米国に追従して共に中国を封じ込めようとしない根本的原因だ。中国が世界各国との協力・ウィンウィンという戦略を堅持しさえすれば、中国との対抗に各国を引き込もうとする米国の野心は必ず圧倒的多数の各方面で壁にぶつかる。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年7月13日