【北京=共同】中国税関当局の調査で検疫を受けていない冷凍食肉の密輸が大規模に行われていることが判明、中には1970年代に生産されたとみられる食肉も含まれていた。新華社が26日までに伝えた。
税関当局は今月、地方14省の衛生当局と協力して違法冷凍肉の一掃に乗り出し、21の犯罪グループを摘発。計10万トン余りの牛、鶏、豚などの食肉30億元(約600億円)相当以上を没収した。
犯罪グループの一部は海外の食肉を香港に運び、その後ベトナムに密輸した上で、ベトナム国境から中国に持ち込んでいた。湖南省長沙市にある代表的な冷凍食品の卸売市場では年間に扱う80万トンのうち3分の1は出所不明の海外からのものだった。
一部の密輸肉の包装には生産日が記され、70年代の豚の足、80年代の鶏の手羽もあったという。
犯罪グループは、古い肉に漂白剤や調味料などを加えネットなどを通じて販売。特に唐辛子を使った辛い料理などでこうした“高齢肉”が使用されるケースが目立つという。
税関当局者は、検疫を受けていない密輸肉は口蹄疫や狂牛病などに汚染されている可能性があり、生命に関わると警告した。
急速な経済発展が続く中国では食肉の需要が増えている。食肉密輸は利益が極めて大きく、仕入れ、輸送などのネットワークが多数形成されており、摘発は難航している。