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米新車販売4.4%増、10年ぶり高水準 15年上半期

【ニューヨーク=杉本貴司】米調査会社オートデータが1日まとめた上半期(1~6月期)の米新車販売台数は、前年同期比4.4%増の852万1260台だった。上半期としては10年ぶりの高水準。ガソリン安の恩恵を受けやすい大型車が大きく伸びた。通年では14年ぶりに1700万台に乗せるとの見方が強まってきた。


米国の自動車市場では大型車主導の成長が一段と鮮明になってきた。上半期の販売台数のうち、ピックアップトラックやSUV(多目的スポーツ車)など大型車が中心の「小型トラック」に分類される車は10.3%増えた。一方で小型車中心の「乗用車」は1.7%減った。


6月単月の販売台数は、前年同月比3.9%増の147万6675台で、季節調整後に年換算した数字は1716万台だった。


米国ではガソリン高が鮮明となった2000年代半ばから大型車の販売が長期間低迷していた。その分、最近になって買い替え需要が活発になっている。昨年からのガソリン安や低金利ローンの常態化も大型車の好調を後押ししている。


旺盛な需要を取り込むため米フォード・モーターや米FCAUS(旧クライスラー)が一部工場で夏休みを返上し、大型車の緊急増産に乗り出す。


米新車市場の好調は当面続くとの見方が強い。米ケリー・ブルー・ブックなど主要調査会社は15年通年の販売予測を相次ぎ上方修正した。1710万~1720万台に達するとの予測が大半だ。トヨタ自動車幹部も1日の電話会見で「1700万台を超えるだろう」と述べた。


米国に過去で1700万台を超えたのは00年と01年の2度だけで、02年から金融危機直前の07年までは1600万台規模で推移している。再び1700万台超えが視野に入ったことで、米新車市場が金融危機からの回復局面を終えて安定成長の段階に入ったといえそうだ。


一方、10年前の05年と比べてシェア争いは激化している。当時と比べ米自動車大手3社のシェアは13.2ポイント低下して45.1%になった。日本や韓国、欧州の自動車メーカーが軒並みシェアを伸ばしているためだ。米国の新車の平均価格は3万3千ドル(400万円強)を超える。「ドル箱」の米市場を巡る競争が激しくなっている。


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