【ロンドン=小滝麻理子】スウェーデン中央銀行は2日、政策金利をマイナス0.25%からマイナス0.35%に引き下げると発表した。同時に国債を大量に買い入れる量的緩和の規模を450億クローナ(約6500億円)追加することも決めた。国内経済や雇用は回復しつつあるが、ギリシャをはじめとした海外情勢に不透明感が増していると指摘した。
クローナは4月の利下げ時の水準近くまで上昇。通貨への上昇圧力が高まるなかで、目標としているインフレ率2%を達成するのは困難だとの認識を示した。5月のインフレ率は1%だった。
今後インフレ率の目標を達成するために、さらなるマイナス金利幅や量的緩和の拡大を検討するとも明記した。
ただ弊害を懸念する声も増えている。金融緩和マネーの拡大を受けて、国内の住宅市場価格は上昇し、家計部門の債務も増えている。資産バブルを助長しかねない。
経済が比較的好調なスウェーデンには、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和などを受けて、通貨への上昇圧力がかかりやすい構図になっている。スウェーデン中銀は過去1年間で度重なる利下げを実施している。