日銀は６日、東京・日本橋の本店で全国各地の地域経済を報告する全国支店長会議を開いた。黒田東彦総裁は冒頭のあいさつで、「我が国の金融システムは安定性を維持している」と指摘しつつも、欧州連合（ＥＵ）が求める財政緊縮案の受け入れの賛否を問うギリシャ国民投票で反対が賛成を上回ったことについて「内外の関係機関との連携を密にしつつ、金融市場の動向を注視していく」と述べた。

国内景気については「緩やかに回復している」との認識を示した。消費者物価（除く生鮮食品）の前年比上昇率の見通しに関しては「エネルギー価格下落の影響から、当面０％程度で推移する」と話した。ただ、日銀の量的・質的金融緩和については「所期の効果を発揮している」と強調。「２％の物価安定の目標を安定的に持続するために必要な時点まで『量的・質的金融緩和』を継続する」と述べ、「上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」とした。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕