内閣府が6日発表した5月の景気動向指数(速報値、2010=100)は、景気の現状を示す一致指数が109.2と、前月に比べ1.8ポイント低下した。悪化は2カ月ぶり。内閣府は一致指数の基調判断を「足踏みを示している」とし、昨年12月以降の「改善を示している」との表現から下方修正した。基調判断の引き下げは9カ月ぶり。
5月は一致指数を構成する11指標のうち、耐久消費財出荷指数や鉱工業生産財出荷指数など9指標がマイナス方向に働いた。生産指数(鉱工業)や商業販売額(小売業)も下振れした。主に自動車の生産や出荷の動きが鈍っていることが背景にあるという。アジアのスマートフォン(スマホ)需要の低迷による電子部品・デバイスの出荷減も響いた。
数カ月先の景気を示す先行指数は0.2ポイント低下の106.2だった。低下は3カ月ぶり。鉱工業生産財や最終需要財の在庫率指数のマイナス影響が重荷となった。一方、景気に数カ月遅れる遅行指標は0.6ポイント上昇の125.8と、2カ月連続で改善した。
指数を構成する経済指標のうち、3カ月前より改善した指標が占める割合を示すDI(最高は100)は一致指数が40.0、先行指数は66.7だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕