世界の金融市場で投資のリスクを避ける動きが急速に広まっている。緊縮財政策の賛否を問うギリシャの国民投票が反対多数となったのを受け、６日の欧州市場では主要な株価指数が軒並み下落した。米ダウ工業株30種平均も安く始まった。投資家は想定外の弱材料に身構え、株式などのリスク資産をいったん手放している。

ギリシャの国民投票後、主要市場で最初の取引となった６日の東京市場で日経平均株価は反落。前週末比427円67銭（2.08％）安の２万0112円12銭で取引を終えた。ギリシャの欧州連合（ＥＵ）離脱の可能性が高まったとして売りが膨らんだ。さらに中国・上海株の不安定な値動きが投資家心理を冷やし、日経平均は一時527円下げた。中国景気の影響を受けやすい東南アジアでも株価下落が目立った。

こうした流れを引き継いだ欧米市場でも売りが先行。ドイツ、フランスの株価指数の下落率が一時２％を超えた。リスク回避の動きは連鎖し、ギリシャ危機の波及が懸念されるイタリアやスペインの国債が値下がりした。ただギリシャに対するＥＵの姿勢を見極めたいとの見方もあり、大きく売り込む動きは出ていない。米国株は買い戻しで上げに転じる場面があった。