【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)は13日、人民元売買の基準となる対ドルの為替レート「基準値」を3日連続で大幅に引き下げた。前日の基準値と比べて1.1%安い1ドル=6.4010元に設定した。中国にとっては景気のてこ入れになる一方、周辺国では中国の輸出攻勢の可能性に対する懸念が高まっている。
13日の基準値は12日の上海外国為替市場での終値(同6.3870元)より人民元安・ドル高となった。3日連続の引き下げとなった基準値を受けて13日の人民元取引は同6.3880元と前日終値と比べて小幅な元安で始まった。
基準値の引き下げ幅は1.8%だった11日から1.6%、1.1%と順次縮小している。3日間の引き下げ幅は4.5%となった。12日の取引時間終了近くに人民銀は人民元買い・米ドル売りの為替介入を実施したもようだ。市場では一段と人民元を売り込む動きは少なくなっている。
人民銀の馬俊チーフエコノミストは12日付の人民日報への寄稿で「人民元が下落トレンドに入ると解釈すべきではない」としている。資本流出につながりかねない過度の人民元安についてはけん制する姿勢を示している。
13日の上海株式市場では、上海総合指数が同0.42%安の3869で取引が始まった。