強い台風15号は25日午前、熊本県荒尾市付近に上陸し、九州北部を北に進んだ。午後には日本海に抜ける見込み。気象庁は、西日本で26日にかけて大雨になる恐れがあるとして、土砂災害や浸水、河川の増水に警戒を呼び掛けた。
黄円の範囲は風速15m/s以上の強風域、赤円の範囲は風速25m/s以上の暴風域。白の点線は予報円、薄い赤のエリアは暴風警戒域
台風の影響で熊本、大分、鹿児島の各県でトラックが横転するなどして少なくとも計7人が負傷。九州電力によると、25日午前8時現在、九州全県で計47万戸以上が停電となった。九州新幹線の全線と山陽新幹線の広島―博多間、JR九州の在来線が始発から運転を見合わせた。空の便も九州各地を発着する便を中心に欠航が相次いだ。
25日午前、長崎県の雲仙岳では、観測史上最多となる1時間に134.5ミリの雨量を記録。気象庁のレーダーによる解析では、福岡市早良区付近と佐賀市三瀬村付近でいずれも1時間に約120ミリ、福岡県糸島市付近、北九州市小倉南区付近ではいずれも約110ミリ、山口県下関市下関付近で約100ミリが降った。
風も強くなり、鹿児島県枕崎市で45.9メートル、愛媛県伊方町で42.6メートル、熊本市で41.9メートルの最大瞬間風速を記録した。
気象庁によると、25日の予想最大風速は九州40メートル(最大瞬間風速60メートル)。中四国25メートル(同35メートル)。波の高さは九州9~10メートル、奄美と四国8メートル、沖縄、中国、近畿、東海6メートル。
西日本を中心に26日にかけ雷を伴い1時間50ミリ以上の非常に激しい雨が降る。局地的には1時間80ミリ以上の猛烈な雨が降る。26日午前6時までの24時間予想雨量は多い所で、四国、近畿、東海300ミリ、九州北部250ミリ、中国200ミリ、九州南部180ミリ。
台風15号は25日午前8時現在、福岡県飯塚市付近を時速45キロで北北東へ進んだ。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心の南東側170キロ以内と北西側90キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、中心から半径460キロ以内が風速15メートル以上の強風域。〔共同〕