【ジュネーブ=原克彦】国際サッカー連盟(FIFA)は17日、ブラッター会長の側近として知られるバルク事務局長を同日付で無期限の停職処分にしたと発表した。2014年に開かれたブラジル・ワールドカップ(W杯)のチケットの一部を、バルク氏が水増しした価格で横流ししていた疑いが浮上したため。FIFAは問題を倫理委員会で調査する。
英紙ガーディアン(電子版)などによるとチケットの不正取引は17日、チケット販売会社の関係者とイスラエルの元サッカー選手がそれぞれに告発した。バルク氏は疑惑を否定しているもようだ。FIFAは声明で「事務局長に関する複数の告発があった」とだけ説明し、具体的な内容には触れていない。
FIFA汚職事件では5月下旬に米司法省が贈収賄などの疑いでFIFA副会長や関係企業の14人を起訴し、スイス当局も捜査を進めている。ブラッター会長やバルク氏は起訴されていないが、汚職体質を改善できなかったことに批判の声が挙がっていた。バルク氏が自ら不正行為に及んだことが確実になれば、FIFAの信頼回復は一段と難しくなりそうだ。