米ケーブルテレビ大手コムキャストがユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を運営するユー・エス・ジェイを買収することが28日、分かった。傘下のNBCユニバーサルを通じ、株式の過半数を取得することで主要株主のゴールドマン・サックスなどと合意した。コムキャストはUSJの経営権を握りテーマパーク事業を強化する。
同日午後、大阪市のUSJ内でユー・エス・ジェイやコムキャスト、ゴールドマン・サックスが記者会見を開く。ユー・エス・ジェイ全体の評価額は60億ドル(7200億円)に上るとみられる。同社は東京証券取引所への再上場を目指していたが、買収で上場は来年以降にずれ込む見通し。
映画テーマパークのUSJはユニバーサルからライセンスを受け、2001年に開業。当初はユニバーサルグループが出資していたが、今は両社に資本関係はない。
USJはハリウッド映画だけにこだわらず、日本の人気ゲームやアニメを積極的に活用したイベントで集客力を高めてきた。さらに沖縄県では新テーマパークの建設も目指している。今回の買収でこうした独自の経営方針が影響を受ける可能性もある。
メディア・娯楽大手のNBCユニバーサルは、米四大ネットワークの一つであるNBCテレビや映画のユニバーサル・ピクチャーズを傘下に抱える。あわせて米カリフォルニア州にテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」も展開する。