アダルトビデオ(AV)出演を拒否した20歳代の女性に対して契約を結んでいたプロダクション業者が違約金の支払いを求めた訴訟で、東京地裁(原克也裁判長)は30日までに、「意に反するAV出演は許されず、契約は即時解除できる」との判断を示し、請求を退ける判決を言い渡した。業者側は控訴せず、判決は確定した。
女性の弁護団は「違約金で脅され出演を強要されるケースが多いが、従う必要は無いことを示した先例になる」(伊藤和子弁護士)と評価している。
判決などによると、女性はタレントとしてスカウトされ、業者に営業を委託する契約を締結した。一方的にAV撮影を決められ、1本出演した後に拒否。業者側は「残り9本の出演が決まっており違約金がかかる」とし、2460万円の支払いを求め提訴した。
原裁判長は判決理由で「女性が結ばされた契約は、やむを得ない理由があれば直ちに解除できる」と指摘。そのうえで「AV出演の拒否はやむを得ない理由にあたる」として、契約解除を認めた。