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[FT]シェルCEO、油価急騰の可能性を警告

英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは6日、石油輸出国機構(OPEC)以外のエネルギー大手による設備投資削減の影響で原油生産量の減少が見通されるが、OPECがフル生産を続ければいずれ原油価格の「急騰」に行き着く恐れがあると警告した。


原油価格は昨年半ば以降、半分以下に下落し1バレル=50ドルを割っているが、シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は油価回復の「最初の混沌とした兆候」が見えていると語った。原油価格の下落は特に昨年11月、米国の供給過剰を受けながらもサウジアラビアが主導するOPECが減産の見送りを決定して以降、下げ足を速めた。


■需給バランスの回復には時間


OPECがフル生産すれば油価上昇もありうる


 


OPECがフル生産すれば油価上昇もありうる


ファン・ブールデン氏は、サウジアラビアの戦略とOPECの結束力を「主な不確定要素」として特定する一方で、米国のシェールオイル事業者が予想以上に持ちこたえていることで、需給バランスの回復には「さらなる時間」を要すると述べた。


「OPECが状況を正しく理解して新たなバランスを見いだせば、価格は回復する」と、ファン・ブールデン氏はロンドンでの「オイル・アンド・マネー」会議で語った。「しかし、OPECが正しく理解せず、価格の低迷がずっと長引いたらどうなるか」


「その場合、世界はどこかの時点で窮地に陥る可能性がある。つまり、在庫が調整され、米国のシェールオイル生産の伸びが止まり、設備投資削減の影響でOPECと米国以外の産油国の生産量が減り始めたときだ。その時点で、世界に大きな余剰生産能力が残っているとは考えにくい」


「この状況が価格の急騰を引き起こす可能性がある。そして、米国のシェールオイル生産量の大幅な増加と、それに伴う価格変動という新たな循環が始まる」


サウジアラビアは伝統的に世界の「スイング・プロデューサー(需給量の調整役)」として、需要と供給が釣り合うように原油生産を増減してきた。しかし、OPECが昨年11月に減産しないと決定したことは、サウジ政府が当面はこの役割を果たさず、米国のシェール企業に減産への圧力をかける方針に転じたことを示している。


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