【NQNニューヨーク=横内理恵】9日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が6日続伸した。前日比33ドル74セント(0.2%)高の1万7084ドル49セントと8月19日以来およそ1カ月半ぶりの高値で終えた。ダウ平均の6日続伸は2014年12月下旬の7日続伸以来ほぼ9カ月ぶり。アジア、欧州株など世界的な株高基調を引き継いだ。緩和的な金融政策が当面続くとの見方からの買いも続いた。
米連邦準備理事会(FRB)が8日に公表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて、利上げ開始がしばらく先になるとの見方が強まった。株式市場に資金が流入しやすい地合いが続くとの期待感が買いを誘った。原油先物相場の値動きなどが落ち着いていることも、買い安心感につながった。
ただ相場は上昇が続いているうえ、週末で利益を確定する目的の売りが出たため、上値は重かった。小幅安に転じる場面もあった。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁やアトランタ連銀のロックハート総裁などが講演やインタビューで年内の利上げは可能との見方を示したが、相場の反応は限られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同19.682ポイント(0.4%)高の4830.470で終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は1.46ポイント高の2014.89と8月20日以来およそ1カ月半ぶりの高水準だった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)では「IT(情報技術)」「ヘルスケア」など5業種が上げ、「エネルギー」や「電気通信サービス」など5業種が下落した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億2000万株(速報)。ナスダック市場は約17億3000万株(同)だった。
アナリストが目標株価を引き上げたグーグルの持ち株会社のアルファベット株が堅調。アップルも高い。調査会社ガートナーが発表した7~9月期のパソコン出荷台数が前年同期比1.5%増と、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載した競合他社のPCに比べて堅調だった。
8日夕に発表した四半期決算が減収減益だったうえ市場予想に届かなかった非鉄大手アルコアが安い。9月の既存店売上高が低調だったカジュアル衣料のギャップも大幅安。アナリストが投資判断を引き下げた電気自動車(EV)のテスラ・モーターズが安い。