大和証券グループ本社(8601)が28日発表した2015年4~9月期の連結決算は、経常利益が前年同期比17%増の985億円だった。投信販売などが好調だったリテールと大型案件を手掛けたホールセールの両部門がけん引した。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(22日時点、3社)の1046億円は下回った。
部門別では、リテール部門が20%の経常増益だった。8月の相場急落以降も、株式投信やファンドラップの販売が高水準を維持した。ホールセール部門は25%の経常増益。新規株式公開(IPO)など大型のグローバル案件を複数手掛けたことが寄与した。
売上高に当たる営業収益は15%増の3495億円。一方、純利益は3%減の691億円だった。法人税等の負担率が正常化し、支払額が大幅に増加したため。中間配当は前年同期比3円増の17円としている。
同日会見した小松幹太・最高財務責任者(CFO)は、7~9月期の業績動向について「とくに9月が減速した」と話した。10月以降の状況は「回復したとはまだ言えないが、少しずつ良くはなっている」とし、個人による投資意欲も「マーケットの落ち着きとともに徐々に戻ってくる」との見通しを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕