東芝は28日、スマートフォン(スマホ)などに使う画像センサー事業から撤退すると発表した。大分工場(大分市)の直径300ミリメートルウエハーラインはソニーに売却する。製造や設計を担う従業員、約1100人はソニーに転籍する調整に入る。経営再建を急ぐ東芝は設備売却を伴う本格リストラに着手。ソニーは画像センサーで世界首位の座を固める。
東芝の大分工場
東芝の画像センサー事業の売上高は約300億円(2015年3月期)。ソニーへの設備の売却額は明らかにしていないが200億円程度とみられ、15年度中に手続きを完了させる。ソニーは一定期間、東芝からの委託を受けて自動車やカメラメーカーなど既存顧客向け製品の生産も担う。
一方、東芝は大分工場を子会社の岩手東芝エレクトロニクスに統合し、来年4月をめどに新会社を設置することも発表した。車載用を含むアナログICやモーター制御ドライバーなどシステムLSI(大規模集積回路)事業を継続する。
新会社を設けて大分と岩手にある200ミリと150ミリウエハーのラインを一体運営することで、生産を効率化する狙いがある。アナログ製品を中心に外部から生産を受託するファウンドリー事業も手掛け、稼働率を改善する。
単機能半導体(ディスクリート)事業では、15年度末までに白色発光ダイオード(LED)事業を終息させる。パワー半導体などに経営資源を集中する。