復旦発展研究院コミュニケーション・国家ガバナンス研究センターの李良栄教授のチームがこのほど発表した「中国ネット社会心理状態調査報告(2020年)」は、データの裏にある中国のネット社会の心理的な特徴を明らかにした。澎湃新聞が伝えた。
2020年には、不動産市場にはっきりとした分化の傾向が見られた。
人々の輪郭を示すデータによると、90後(1990年代生まれ)は「不動産価格」に最も注目する層だ。「不動産価格」関連ワードを検索した人のうち、90後は45.6%を占め、ネット全体での90後の人数の割合の33.7%を大きく上回った。次に多いのが80後(1980年代生まれ)で36.3%だった。
男女構成比をみると、女性より男性が「不動産価格」に注目し、関連ワードを検索した人のうち、男性は73.3%を占め、女性(26.8%)の2.7倍だった。同報告によると、これは男性は結婚するのに住む家を買う必要があるという中国社会の伝統的観念と関係がある可能性がある。「不動産価格」は現在、90後をはじめとする若い男性にとって重い負担になっている。
「教育」の話題については、新型コロナウイルス感染症もネットユーザーの同話題に対する一貫した関心を揺るがすことはなかった。人々の輪郭を示すデータによると、90年は「教育」関連のすべてのワードについて検索者数が最も多く、39.8%を占めたという。
「教育」関連の話題の分類検索データを見ると、世代が違うと「教育」の話題に対する注目度にも違いがある。90後は「大学院入試」に最も注目し、検索件数は全年齢層の7割を占めた。80後は「中学入試」に最も関心があり、検索件数全体の55%を占めた。
男女構成比に関するデータをみると、女性は男性よりも「教育」の話題に注目する。「教育」関連ワードを検索したすべての人のうち、女性が58%を占めた。特に「中学入試」の関連ワード検索では、女性は60%を占めた。同報告は、「これは女性が家庭教育で男性より多く分担していることと関係があるだろう」との見方を示した。
同報告によると、「医療」の話題の検索指数は基本的に前年同期の水準で安定し、新型コロナウイルス感染症の大流行という背景の中でも、検索指数は基本的に安定していた。ここから感染症対策が秩序よく推進される状況の中、中国には全体として大規模な医療資源の奪い合いのような状況が起きていないことがわかる。このような対照を経て、「医療」の話題への注目度が基本的に安定した状況の中、「病院にかかるのが難しい」、「病院にかかるのに高額の医療費がかかる」といったキーワードの検索量が前年同期に比べてそれぞれ13%と21%低下した。
人々の輪郭を示すデータを見ると、医療の話題に最も注目するのは90後だ。すべての関連ワード検索者のうち、90後は46.4%を占めてトップに立った。一方、60後(1960年代生まれ)は人数が全体に占める割合は6%だが、医療関連ワードの検索量では3.6%を占めるにとどまり、注目度の低さを示し、中高年層は医療への関心が高いという一般的な印象とは異なる結果になった。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月18日