日本郵便は29日、米アップル、米IBMと組んだ高齢者向けサービスの実証実験を始める。
「お薬は飲みましたか」。タブレット端末の声に高齢者がボタンを押して応えと、データが遠方の家族に飛び健康状態を確認できる。そんな「見守り」サービスだ。
実験に先立つ28日、山梨県で使い方の講習会が開かれた。血圧が高いという都留市の農業、藤本信芳(85)さん。薬の時間を教えてくれる機能に「便利だ」と満足げだ。
実証実験では高齢者1千人にタブレット端末「iPad」を無償提供。テレビ電話機能で遠方の家族などと連絡を取り合う仕組みや、提携した地元スーパーの買い物サービスも試してもらう。
利用対象として想定するのは携帯電話にも慣れていない70~80歳代の高齢者。講師役を務めた甲府駅前郵便局の加々美英明局長は「最初はタブレット端末を怖がる人も多い」と言い、まずは不安の解消をめざす。実験は来年3月まで続け、実用化への課題などを探る。