【広州=中村裕】日産自動車は4日、中国での10月の新車販売台数(小売台数)が前年同月比16.8%増の10万9600台だったと発表した。2カ月連続で前年実績を上回った。10月から小型乗用車に対する減税措置がスタートし、その対象となる主力セダン「シルフィ」の販売が前年比で4割以上伸びた。
日産は2日、中国での15年の新車販売目標を従来比5万台減の「125万台以上」に下方修正した。主な修正理由を、中国景気の後退で商用車を中心に販売不振が長期化するためとしていた。
一方、乗用車は販売が堅調に推移。中国政府の景気刺激策の一環で、10月1日から16年12月末まで、排気量1600cc以下の小型車の自動車取得税を10%から5%に引き下げる減税措置が始まり、販売を押し上げた。
ただ1~10月の累計販売で見ると商用車の不振が響き、前年同期比3.3%増の96万8200台に留まっている。
小型車減税はスタートしたばかりで景気刺激策の効果は未知数の部分もある。3日発表したトヨタ自動車の10月の中国新車販売は前年同月比1.2%減の10万3400台と、7カ月ぶりに前年実績を割り込んでいる。