農林水産省は4日、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意により、畜産・林野・水産分野の計19品目に与える影響分析の結果を正式に公表した。牛肉・豚肉・乳製品の3品目について「長期的には国産価格の下落が懸念される」と影響が大きいと分析した。
自民党の農林関係会合で示した。すでに公表しているコメや麦、野菜と合わせて計40品目の分析が出そろった。
影響が大きいのは牛肉。「当面の輸入急増は見込みがたい」としたが、長期的には「米国やオーストラリアからの輸入品と競合し価格下落も懸念される」とした。豚肉も「長期的には低価格部位の輸入で価格下落も懸念される」、乳製品も「長期的に生乳の価格が下落する」とした。水産ではアジやサバなど多くの品目で「TPP参加国からの輸入量が少ない」ことなどから「影響は限定的」とした。林野でも合板や製材で同じく「影響は限定的」と分析した。
日本から輸出する農林水産品は米国向けの牛肉でTPP発効時に3000トンの無税輸出枠を設けることなどを念頭に「さらなる輸出拡大が期待」と評価した。「和食の普及との相乗効果も好機とし輸出促進の取り組みを強化すべきだ」とした。