衣料用素材の染色加工などを手掛けるテックワン(石川県能美市)は11日、病院や介護施設向けに床ずれ防止につながるベッドマットの製造・販売を始めたと発表した。他社が手掛けていた製品の商権を引き継いだうえで、機能を向上した。高齢化の進展から長期的に需要が見込める医療・介護分野を新たな事業の柱に育てる。
製造・販売を始めたのは、寝たときに体に均等に圧力がかかるようにする体圧分散マットレスの「メディマット」。透湿性の高いフィルムを組み合わせたカバーと、適度な柔らかさのウレタン製マットにより床ずれしにくくしている。二重構造になっているウレタン製マットには特殊な加工をして通気性を高め、カバーにも新たに抗菌防臭加工をした。
ベッドマットと車いす用に計4種類の商品を用意。現在は代理店3社を通して販売しており、今後は代理店の数を8社程度にまで増やす。初年度の売上高は2億円を目指す。
同社の主力事業である衣料用素材の染色は受託加工が中心のため、安定的な成長や事業拡大には自社製品の製造・販売が不可欠と判断した。今後は手術室用のベッドや手術着など医療・介護分野での製品を拡充する。5年後をめどに医療・介護分野向けの売上高を10億円にする方針だ。