【パリ支局】フランスのオランド大統領は13日深夜、テレビを通じ国民向けに演説し、同日夜のパリ同時テロを受け「国家非常事態」を宣言した。国境の封鎖も表明した。さらに「なお事件は続いている」と述べ、警察に加え軍も出動させ、事態を収拾し、犯人を追及する考えを示した。
13日の一連の事件については「前例のないテロ」と指摘。「フランスはテロに立ち向かわなければならない」と述べ、国民に冷静な対応と連帯を呼びかけた。
国家非常事態宣言により、フランス当局は人や自動車などの移動の制限のほか、集会禁止なども命じることができる。北アフリカのアルジェリアが仏植民地からの独立を目指したアルジェリア戦争が始まった後の1955年に法制化された。直近では2005年にパリ近郊で暴動が起きた際に発令されたことがある。
オランド氏は13日夜にパリ郊外の国立サッカー競技場「スタッド・ド・フランス」付近で爆発が起きた際、競技場内でフランスとドイツの代表チームによるサッカーの国際試合を観戦していた。事件が起きた後、市内に戻って演説した。