パリで15日、仏テレビ番組のインタビューに臨むマクロン大統領=AFP時事
フランスのマクロン大統領は15日、仏テレビ番組に出演し、シリアのアサド政権への米英軍とのミサイル攻撃について、トランプ米大統領に対し「化学兵器(の関連施設)に限定するよう説得した」と述べた。また、トランプ氏が3月末にシリアからの米軍撤退に意欲を示した際、「米軍を駐留させ続けるべきだとトランプ氏を説得した」とも明かした。
マクロン氏は、国連安保理決議がなく軍事介入に踏み切ったとの批判があることに対しては「アサド政権に宣戦布告したわけではない」と釈明。攻撃はアサド政権に国連安保理決議や国際法を守らせる目的で、正当だったと主張した。
一方、英国のメイ首相は16日午後の英議会で、攻撃は将来の化学兵器の使用を防ぐためで、「英国の国益になる」と理解を求める方針だ。英首相官邸が演説内容の要旨を明らかにした。
メイ氏は「化学兵器の使用が常態化するのは、シリアであれ、英国の街頭や他のどの場所であれ、許すことはできない」と述べる予定だ。国連安保理でロシアがシリアでの化学兵器使用に関する調査に反対する拒否権を行使したことにも触れ、「化学兵器による人道的苦難の緩和を待つことはできない」と緊急性があったことを訴えるという。
一方、軍事行動に反対する英最大野党・労働党のコービン党首は15日に出演した英BBCの番組で「首相はトランプ米大統領を追いかけることが何よりの関心事のようだった」とメイ氏を批判した。(パリ=疋田多揚、ロンドン=下司佳代子)