【アンタルヤ=古川英治】ロシアのプーチン大統領は16日、トルコ南部アンタルヤで開いた20カ国・地域(G20)首脳会議後に記者会見し、自国に対するウクライナの債務の再編策を米国などに提案したと明らかにした。米欧による保証を条件に、12月に償還期限を迎えるロシア保有の30億ドル(約3700億円)のウクライナ国債の返済繰り延べと分割払いに応じるとしている。
提案はウクライナが2016~18年の3年間に毎年10億ドルずつロシアに返済するという内容。ウクライナを支援する米欧や国際通貨基金(IMF)に保証を求めた。オバマ米大統領やIMFのラガルド専務理事らにすでに伝えたという。
プーチン氏は会見で「欧米が保証に応じなければ、ウクライナ経済の未来を信じていないことになる」などと述べた。ロシア財務省幹部は同日、大統領の指示を受け、米欧に12月8日までの返答を求めたと表明した。
ウクライナ政府は8月、民間債権団との間で債務元本の2割削減で合意し、ロシアにも同条件で再編に応じるよう求めていた。ロシアは国営ファンドを通じて13年にウクライナ国債を購入し、ウクライナの当時の親ロ派政権を支援した。ロシアはこれを国家間の貸し借りと主張、条件見直しには一切応じないとしていた。プーチン氏は会見で国家間の貸し借りである点は改めて主張した。