【NQNニューヨーク=内山佑輔】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5営業日ぶりに反発した。前日比80銭の円高・ドル安の1ドル=122円80~90銭で終えた。年内の米利上げ観測などを背景に円やユーロなど主要通貨に対するドル高が大幅に進んだ反動から、利益確定や持ち高調整を目的とした円買い・ドル売りが入った。
米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で約9年ぶりの利上げに踏み切るとの観測が強まるなか、前日には約3カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けていた。市場では円相場の下値余地が目先は限られてきたとの指摘もあり、利益確定に動く参加者が多かった。
米アトランタ連銀のロックハート総裁は19日の講演で金融市場の混乱が収まったことなどを挙げ、利上げ開始に前向きな姿勢を示した。ただ、その後の引き上げペースは緩やかなものになるとも指摘。利上げ開始後の金利上昇は限定的になるとの見方もドル売りにつながったようだ。
米労働省が朝方発表した週間の米新規失業保険申請件数は前週から減少し、ほぼ市場予想並みとなった。米フィラデルフィア連銀が公表した11月の米製造業景況感指数は市場予想に反してプラス圏に浮上したが、ともに相場への影響は目立たなかった。
円の高値は122円62銭、安値は123円22銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比10銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=131円85~95銭で取引を終えた。対ドルでユーロが上昇したため、対円でもユーロ買いが優勢だった。
ユーロは対ドルで続伸した。前日比0.0075ドル高い1ユーロ=1.0730~40ドルで取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が近く追加の金融緩和に踏み切るとの思惑もあって前日に約7カ月ぶりの安値を付けたため、持ち高調整を目的としたユーロ買い・ドル売りが続いた。
ユーロの高値は1.0763ドル、安値は1.0669ドルだった。