【ブリュッセル=森本学】ベルギーのミシェル首相は26日夜に記者会見し、ブリュッセル首都圏のテロ警戒水準を最高レベルの「レベル4」から1段階引き下げたと発表した。首相は「テロの脅威はなお深刻だが、差し迫った状態ではなくなった」と判断見直しの理由を説明した。
ベルギーのテロ警戒水準は国内全土が4段階のうち上から2番目の「(テロの)可能性がある」という判断を示すレベル3になった。ベルギー政府は21日、パリと同様の同時テロがブリュッセルで生じる危険があるとの「極めて具体的な情報」があったとして、テロ警戒水準を最高に引き上げていた。
テロ警戒度が「最高」となって以降、ブリュッセルでは異例の厳戒態勢が敷かれ、街角では装甲車や武装した兵士が警戒にあたった。21日から地下鉄が全面停止したほか、23日から学校もすべて休校となるなど都市機能が一時的にまひした。ただ25日からはテロ警戒水準が最高のままにもかかわらず、学校が再開し、地下鉄も段階的に運行を開始していた。
捜査当局はパリの同時テロに関与した疑いで国際手配中でベルギー国内で逃走中とみられるサラ・アブデスラム容疑者(26)の行方を追っているが、まだ見つかっていない。