暴力団組長らの療養費詐取事件で、警視庁組織犯罪対策4課は27日、接骨院で施術をしたと偽って約250万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で、住吉会系組長の三戸慶太郎容疑者(50)=東京都新宿区西新宿6=ら14人を再逮捕し、新たに組員ら5人を逮捕した。同課によると、三戸容疑者ら12人は容疑を否認している。
逮捕容疑は2011年8月から13年8月にかけ、東京都杉並区の接骨院(既に閉鎖)で16人の患者を施術したとする虚偽の療養費申請書を作成。国民健康保険を運営する自治体や企業の健康保険組合から計約250万円を詐取した疑い。
接骨院は三戸容疑者が実質的に経営していたとされ、開業していた2年余りに約350人を施術したとして療養費計約2700万円を請求した。警視庁が確認できた約220人の9割近くが不正請求で、金額は約1800万円に上るという。
不正請求に使う名義を集めるため、組員らは知人に「接骨院に行ったり、保険証を貸したりしてくれれば小遣いをあげる」と言って勧誘していた。実際に数千円を渡すこともあったという。
捜査関係者によると、三戸容疑者らは5カ所以上の接骨院などで療養費や診療報酬の不正受給を繰り返した疑いがある。不正受給の総額は1億円以上になるとみられ、組対4課は全容解明を進める。