【ストックホルム=西山彰彦】ノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)と同生理学・医学賞の大村智・北里大特別栄誉教授(80)は6日、ストックホルム市内のノーベル博物館を訪問。他の受賞者8人と懇談するノーベルウイーク最初の公式行事に参加した。
カロリンスカ研究所で記者会見に臨む大村さん(左)とキャンベルさん
博物館では、地元の大学生が各賞をイメージして作ったドレスやオブジェを披露。梶田さんは「うまく研究成果を(芸術に)翻訳して作品を作っていただき、うれしかった」と笑顔で話した。
大村さんは同館に、開発に貢献した薬「イベルメクチン」の分子模型など5品目、梶田さんはニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」で光を検出する2種類の光センサー「光電子増倍管」を寄贈した。いずれも3月6日まで特別展示される予定だ。
館内には梶田さんの師の小柴昌俊・東大特別栄誉教授が2002年に物理学賞を受賞した際に贈った光センサーが展示されており、梶田さんは「懐かしかった」と目を細めた。また「小柴先生の土俵で仕事をしているので並んだとは思っていない」と語った。
梶田さんは椅子の裏の自分の名前のほか「スーパーカミオカンデ・コラボレーション」と書き加えた
館内のカフェでは歴代受賞者が椅子の裏にサインをしてきた。大村さんは「伝統的な行事に参加できたなと思いながら、英語と日本語でサインした」。
梶田さんは「国際共同実験の成果なので」と、自身のサインの下に英語で「スーパーカミオカンデ・コラボレーション(共同実験)」と付け加えた。2人とも、ノーベル賞のメダルをかたどったチョコレートをお土産に買って帰るという。