水産庁は9日、韓国から輸入するノリの数量の上限を2025年に27億枚に増やすことで韓国側と合意したと発表した。現在は12億枚だが、16年から年1.5億枚ずつ増やす。06年に韓国政府との間でノリの輸入数量について段階的に引き上げることで合意していた。
国内流通量に占める韓国産ノリの割合は1割程度。輸入が増えれば消費者の選択の幅が広がる一方、国内生産者が影響を受ける可能性がある。
水産庁によると、ノリの国内流通量は90億枚。うち韓国産が8億枚、中国産は2億枚だ。韓国産は国産より4~5割安く、スーパーで売られている味付けノリやコンビニエンスストアのおにぎりの材料として流通している。
政府は中小・零細事業者が多いノリ生産者を保護するため、輸入数量に上限を定めている。05年の上限は相手国を問わず4億枚だったが、韓国は日本の制度が世界貿易機関(WTO)協定に違反すると主張。2国間協議の結果、06年に韓国向けに3.4億枚を設定し、15年に12億枚まで増やしていた。
大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)では、ノリの関税は15%削減される。水産庁によると「韓国の要求は27億枚より高い水準だった」という。韓国は将来のTPP参加を見据えて拡大を求めたとみられる。