東芝は25日、12月中に子会社の東芝エレベータから約628億円の配当金を受け取ると発表した。同子会社は7月にフィンランドの昇降機大手コネ社の株式を売却しており、1100億円強の売却益の一部を配当原資とする。構造改革を進めている東芝本体の財務改善につなげる。
配当金は2016年3月期の東芝単独の営業外収益に計上する。21日に公表した連結業績の予想には織り込み済みだが、単独業績への影響が大きく、適時開示基準に該当するため発表した。
東芝は今期からグループで計1万人の削減や事業売却などの構造改革に着手している。この一環で東芝エレベータが保有する約5%のコネ社株をすべて売却していた。本体でも人員削減などの構造改革を進めており、今回の資金をリストラの原資に回す可能性もある。
巨額赤字に伴い、東芝の今期末の連結自己資本は4300億円と前期末から約6割減る。財務の健全性を示す自己資本比率も10%を割り込む見通しだ。
東芝は25日、来年6月に開く定時株主総会の開催日をもって、会計監査を担当する新日本監査法人との監査契約を打ち切ると発表した。