【台北=山下和成】台湾の中央通信は26日、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長が25日に堺市内で、経営再建中のシャープについて「(私に)2年時間をもらえれば赤字を解消し、3年目からは黒字化できる」と語ったと報じた。鴻海はシャープに対し、本体への出資や液晶事業の買収など複数の支援策を提示しており、郭氏は自ら意欲を示した形だ。
郭氏は25日、鴻海が2012年に出資した大型液晶パネル生産会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP、旧シャープ堺工場)を訪問した際、台湾のテレビ局の取材に答えた。郭氏は鴻海がSDPに出資した後は業績が好転したと語り、「同じようにシャープも助けたい」と述べた。
郭氏は「いまの問題はSDPでもシャープでもなく(日本の官民ファンドの)産業革新機構だ。彼らが技術流出を心配しており、これが(再建を)阻んでいる」とも指摘した。
革新機構もシャープ支援を目指しているが、鴻海がシャープに出資した場合の液晶技術の流出などを懸念し、国内勢を中心とした支援策を志向している。郭氏はこれに不満を示し、鴻海ならシャープをより早期に再建できるとアピールする狙いがあったようだ。