三重県とヤマト運輸、航空貨物輸送のANAカーゴは18日、伊勢エビや松阪牛など県産品の販路拡大で連携協定を結んだ。沖縄の那覇空港内の国際物流拠点「沖縄貨物ハブ」を活用し、生鮮食品などのアジア市場への輸出拡大を目指す。
ヤマトとANAカーゴは、香港、台湾、シンガポールで小口保冷輸送サービス「国際クール宅急便」を展開。この枠組みを活用すると輸送時間の大幅短縮が見込める。三重県産品の場合、中部国際空港を経て那覇空港から輸出すれば、出荷翌日の午後には香港や台湾の顧客に届くという。
協定では生産者や中小事業者向けに、商談会やセミナーの開催、書類作成など事務手続きの支援も盛り込んだ。
ヤマト運輸とANAカーゴが自治体と連携協定を結ぶのは中部3県では初めて。全国では青森、熊本、愛媛、宮崎に次いで5県目となる。
ヤマト運輸の長尾裕社長は「三重県には魅力的な県産品が多い。海外バイヤーの紹介など踏み込んだ取り組みを進めたい」と述べた。三重県の鈴木英敬知事は「アジアの食のマーケットが拡大している中で、一品でも多くの県産品をアジアに輸出できるようしていきたい」と意欲をみせた。