富山県高岡市にある小さな市営動物園「高岡古城公園動物園」で、動物を紹介する手作りパネルが面白いとインターネット上で話題になっている。人気アニメからテレビCMまで、さまざまな題材をパロディーにしており、来園者からは「動物よりも目がいく」との声も出ている。
同園は中に入れば敷地がほぼ見渡せるほど小さな施設。入場は無料で、ペンギンやウサギなど約40種約160匹の動物を飼育している。
園内を歩くと多くのパネルが目に入る。人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」をもじり、「普通動物むじな☆ムジナ」と題したパネルでは、タヌキ汁とムジナ(アナグマ)汁のどちらがおいしいかを考察している。
越冬したタヌキが痩せていくことについて、CMが有名なフィットネスクラブの名前とイラスト付きで紹介している。
子供たちの疑問に答えるものも多い。「フラミンゴはなぜ片足で立つの」との質問には、冷たくなった足をたたんで体温で温めることを「一本足健康法で足先の冷えが消えた!」と健康グッズの新聞広告をまねた文体で答えている。
遊び心あふれる紹介が話題を呼び、来園者がネットの投稿サイトに載せた写真は6千回近く転載された。
アイデアを出した男性職員によると、きっかけは約5年前、チンパンジーがフンを投げる悪癖があることに注意を呼び掛けるパネルだった。情報サイト「Yahoo!知恵袋」をまねて「Kojoo!TAKAOKA悪知恵袋」と題を付けると、来園者から「面白い」と評判だったという。
現在は他の職員2人と協力してつくっている。男性職員は「動物の習性が来園者の人生を狂わせるわけでもないから、軟らかく、楽しく紹介したい。話題になるのはうれしいけど、新作へのプレッシャーになるのは嫌」と笑う。パネルは主に季節ごとに入れ替えており、新作も着々と準備しているようだ。〔共同〕