特別賞のアステサニアス・パニクアの作品の前に立つジョナサン・アンダーソン=岡田晃奈撮影
「ジェンダーレス」などファッションの新しい潮流を表現し、近年のモードを引っ張るデザイナーの一人、ジョナサン・アンダーソンが、クリエーティブ・ディレクターを務める高級ブランド「ロエベ」による工芸展のために来日した。朝日新聞の単独インタビューに応じ、ファッションや工芸の創造性、美について語った。
自身のブランド「J.W.アンダーソン」とロエベだけでなく、この秋はユニクロとの協業でも話題を呼んだ注目のデザイナー。世界中の優れた工芸作品を選出するコンテスト「ロエベ・クラフト・プライズ」の発起人で、今年は75カ国から約4千点の応募があったという。東京・六本木の東京ミッドタウン内2121デザインサイトで開催中の展覧会では、最終審査に残った26人の作品を並べた。
展覧会の狙いについてアンダーソンは、「テクノロジーが発達し、多くの人がスマートフォンひとつで何でも出来てしまう時代。だからこそ、ゼロから発想し、手で作り上げることの大切さを特に若い世代に伝えたいと感じたから」と語る。続けて、「工芸もファッションも、見る人の感情や考え方に疑問を投げかけるものでなければならないと思う。それが創造性ということではないか」とも。
大賞を受けたエルンスト・ガン…