エクアドルで17日、地震による被害が最も大きかったペデルナレス=AFP時事
南米エクアドルで16日に起きた地震の死者数が、少なくとも272人に達した。コレア大統領が明らかにした。負傷者数も2千人を超えている上、がれきの下に埋もれている住民も多数いるとみられ、被害は拡大する可能性がある。
エクアドルの地震、死者233人に 政府が非常事態宣言
グラス副大統領によると、同国西部マンタ、北西部ペデルナレス、最大都市グアヤキルで死者が出ている。コレア大統領はツイッターで「ペデルナレスは崩壊している」と発信、17日夜にマンタに到着した。
AP通信によると、人口約4万人のペデルナレスでは多くの住民が路上で夜を過ごし、車のヘッドライトを使って生存者の救出作業にあたった。同市のアルシバル市長は、土木作業用の機械や作業員の派遣を要請した。同市長によると、16日夜に混乱に乗じた略奪行為が起きたが、17日になって軍が到着し、事態は沈静化に向かっている。
同市のルイス・キトさんは崩壊したホテルのがれきの下敷きになった人たちに水を配って一夜を過ごしたという。「一晩中、叫び声を聞いた。赤ちゃんもいた。救助隊が必要だ」とAP通信に語った。
各メディアによると、グアヤキルでショッピングセンターの天井が崩れ、崩壊した高速道路の高架が車を押しつぶした。西部マナビ州など各地で停電が起きている。ポルトビエホでは刑務所が損傷し、受刑者約100人が脱走したという。
政府はすでに軍1万人を派遣し、警察4600人を震源地近くの地域に送った。グラス副大統領は「国際社会から援助を受け入れる準備がある」と語った。
地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・8で、同国沿岸部が震源となっている。余震は続いており、17日午後までに200回以上を記録している。(リオデジャネイロ=柴田真宏)