米国の優れた報道や芸術に贈られるピュリツァー賞が18日、米ニューヨークのコロンビア大で発表された。報道で最も権威がある公益部門は、米国に売られるシーフードの供給実態を調べ、東南アジアでの奴隷労働を明らかにしたAP通信が受賞した。ピュリツァー賞は1917年から始まり、今年で100回目の発表となる。
演劇部門では米国の初代財務長官、アレキサンダー・ハミルトンの生涯を描いたミュージカル「ハミルトン」を作詞・作曲したリン・マニュエル・ミランダ氏が選ばれた。「ハミルトン」は米国で社会的現象ともいえる人気で、優れた演劇を選ぶトニー賞でも本命とみられている。
報道のフィーチャー部門と批評部門はそれぞれ、ニューヨーカー誌の記者が選ばれた。これまで雑誌記事はこうした部門の対象外だったが、インターネットの影響で新聞との線引きが困難になっているとして2年前に基準が見直され、今回が初めての受賞となった。(ニューヨーク=中井大助)