兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐり、角田(すみだ)美代子元被告(自殺時64)の内縁の夫で殺人罪などに問われた東頼太郎(あずまよりたろう)被告(66)の控訴審が20日、大阪高裁で始まった。殺人2件と傷害致死1件などで懲役21年とした一審判決のうち、弁護側は殺人・傷害致死の各1件について無罪を主張。残る殺人1件も自殺関与罪にとどまると主張した。検察側は控訴棄却を求め、この日で結審した。判決は5月25日。
一連の事件では美代子元被告の親類7人が裁判員裁判で無期懲役から懲役15年までとされ、5人の刑が確定。東被告と、美代子元被告の義理のいとこ・角田正則被告(41)=一審・無期懲役=が控訴し、親類被告の控訴審は今回が初めて。
神戸地裁の一審判決は、東被告が美代子元被告らと共謀し、2005年に沖縄県で角田久芳さん(当時51)、08年に尼崎市で仲島茉莉子(まりこ)さん(同26)を殺害したと認め、11年には尼崎市で橋本次郎さん(同53)に暴行するなどして死なせたと認定した。